先日、日本看護協会はコロナウイルス感染拡大にともなう医療崩壊に備えて
「離職している看護師の復職を求める」ことを会見で明らかにしましたね。
コロナウイルスが国内で感染拡大しているにも関わらず、政府が緊急事態宣言を出すことを渋ったため
医療崩壊への危機感を強めた東京都医師会や看護協会が、国よりも先に医療的緊急事態宣言を出しています。
私は元々は看護師でしたが、現在は看護師の仕事をしていません。
私こそが看護協会の求めている❝離職中の看護師❞というわけですが
その離職中の看護師としてリアルな現場の声をお届けするなら、
「条件によっては復職も考えなくもない」
「離職した看護師を復職させたいなら、給料を上げればある程度は解決する」
看護師として働こうと志す人は、私を除いては基本的には人を気遣える優しい人間が多いです。
なので、給料が安くても文句言いながら頑張って世のため人の為といって働いてくれます。
ですが、今の日本の現状はこれまでの医療現場とは少し状況が違います。
コロナウイルスという感染力が非常に強い新型肺炎が全国、全世界で大流行中です。
そんななか、
「給料は安い、コロナウイルスに感染するかもしれない、死ぬかもしれない」
という医療現場に、看護協会からの呼びかけで誰が無条件で復職すると思いますか?
こんな現状で看護師として復職する人はきっと、人を救いたい!と正義感や使命感のかんなり強い人か
相当アタマのおかしい人くらいしかいませんよ。
離職した看護師の復職はお金でほとんど解決できる【コロナウイルス感染拡大に伴う医療崩壊】
結論から言ってしまうと、給料を上げれば離職中の看護師が復職する可能性は非常に高いです。
看護師が現場を離れる一番の理由は「大変さと給料が見合わない」ということ。
給料が上がれば看護師に戻ってもいいな、と思っている私も一人です。
医療現場から離れた看護師にはそれぞれ理由がある
看護師として働いていた人間が医療現場から離れるのには、それぞれワケがあります。
考えられる理由は大きく分けて以下の3つです。
看護師を辞める理由
- 給料の低さ
- 現場が合わない
- 人間関係
- ライフスタイルの変化
大変さと給料が見合わない
看護師の仕事は5Kや6Kと言われています。
汚い、きつい、危険、帰れない、給料が安い、休暇が取れない、結婚できない、彼氏できない etc.
あっという間に6Kも超えてしまいました(笑)
この中にもあるように、
「きつい仕事なのに給料が安い」
「危険な仕事なのに給料が安い」
「彼氏できないのに給料が安い」
給料が高ければきつい仕事でも、危険な仕事でも、彼氏ができなくても頑張れますが
こんな環境で看護師を続けようと思える人は、本当にスゴいと思います。
現場が合わない
医療現場でも、内科や外科、心臓や脳、外来や病棟といったように
分野ごとに分けられています。
「外科が合う・外科が好き」という看護師もいれば、
「内科の外来がいい」と人によって各現場の合う合わないがあります。
配属を希望した通りの科に行っても合わずに辞めてしまう人も多いですし、
実際の医療現場で働いてみて理想と現実のギャップに失望して辞めていく看護師も多くいます。
人間関係
看護師は国家資格で、一度取得すると免許更新の必要もありません。
公的な医療機関は年功序列で給料が上がっていきますし、長く勤めようとする人が多いのも事実です。
看護師だけに限らないと思いますが、上司にねちっこい人っていませんか?
医療現場にもいわゆる❝お局❞ナースがだいたいどこの病棟にもいて
そんな人が新しく入ってきた新人看護師をいじめる・・・
いや、必要以上に厳しい指導をするんですね(物は言いようww)。
それが辛くて辞めていってしまう看護師も多くいます。
周りは関わりたくないので見て見ぬふりをしていたりするものです。
個人のライフスタイルの変化
病院は介護施設よりも女性が多く働いている医療現場です。
一旦、妊娠や出産を機に現場を離れてしまうと、思うように復帰できない現実があります。
後で出てくる「託児所の拡充」とも関わってきますが、
復帰したくても心身が不安定な子どもを育てながら看護師の仕事を両立するのは
本当に大変だと思います。
子どもの熱が出るたびに迎えに来てくださいと保育園から電話が掛かってきては
「すみません」と平謝りしながら現場をあとにしなければいけない。
そんな日が毎日のように続くと、周りの同僚たちにも迷惑を掛けてしまいますから
申し訳なさから、ライフスタイルの変化によって看護師を辞めていく人も沢山いるのが現状です。
離職中の看護師を復職させるには❝金❞
結局のところ、離職中の看護師を復職させるために1番カギになるのは、お金です。
危険でもキツくても給料がある程度高ければ、それなりに納得して働くことができます。
実際、コロナウイルスが拡大・蔓延していなくても、医療現場で働く看護師の数は足りていません。
毎年、看護師国家試験は受験者の90数%が合格しているのにも関わらず、です。
給料を上げる
看護師の資格を持っていても働かない看護師が増えてしまう1番の理由は、給料が安いからです。
コロナウイルスの感染が拡大し、感染者が増えて治療を必要とする人がもっともっと増えたとき
きっと医療現場は崩壊します。必ずと言って良いほど、助かる命が助からない医療現場と化します。
そんな医療現場に、離職はしているけれども看護師の資格は持っているという❝潜在看護師❞を復職させるためには
給料面での保障が絶対的に必要です。
月に100万円とは言いませんが、ヒラ看護師でも月30-40万の給料を保障すれば
必ずといって良いほど復職する看護師が増加すると見込まれます。
残業手当をきちんと出す
先の給料を上げると絡んできますが、「残業代をきちんと時間で支払う」
これを約束してもらえれば、離職中でも復職を考えなおしてくれる看護師は多いはずです。
私が以前働いて病院は、タイムカードを切った時間で残業代が計算されるわけではなく
いくらかの手順を経て残業代の申請が完了する、といったものでした。
- その日の予想される残業時間を17時時点で紙に書いて上司に提出
- 終わっていない業務内容を紙と一緒に上司に報告→残業時間の調整
- 残業
- 残業が終了したら、前に紙で申請した時間通りにPC入力
- タイムカードを切って退勤
ざっとこんな感じで残業代を申請するのですが、まず申請した通りに残業が終わることなんてありません。
残業時間が長いと翌日もしくは月末に、師長や主任から指導される(残業を減らせと言われる)ので
基本的にはPCに入力する残業時間は紙で提出した時間通り、
仮に21時まで残業しても19時と記載していたりしていました。
こんなこと絶対にしてはダメですし、こんな病院はスグに辞めるべきです。
私はこの残業代をPC入力するときに偽るのがイヤで、きちんと残業した時間を入力するたびに文句言われていたので、、看護師を辞めました。
スタッフの数を増やす
私が看護師として働いた2年目は、スタッフの数が激減し精神的にも体力的にも相当しんどかったのを覚えています。
2年目にも関わらず頼れる中堅の先輩たちが辞めてしまったため
ひよこに毛が生えたような私たちが、1年目の後輩を指導するような状況が多々ありました。
スタッフの数が少ないと、看護師一人当たりに看る患者数が増えるため、それぞれの負担も増えます。
いろんな負担が増えてくると看護師も人間ですからイライラしますし
そのイライラした空気によって職場の空気や雰囲気も悪くなってしまいます。
スタッフの数を増やすことによって、看護師一人ひとりの抱える心理的・身体的な負担は減り
心を落ち着けて仕事に取り組むことができます。
ですので、コロナウイルスが拡大している地域では医療崩壊が目前に迫っているため、
人工呼吸器や人工心肺のエクモ、病床数の確保の前に
医療の現場では、看護師をはじめとする医療従事者の確保を最優先に行う必要があります。
託児施設の拡充
現場の医療スタッフの数を増やすためには、託児施設の拡充も必須です。
子どもを預けられる場所がなければ、ライフスタイルが結婚や妊娠・出産によって変化し現場を離れた看護師に復帰することはできません。
「できません」というよりも、「復帰したい」と思う人がいないと思います。
金銭的な事情などから仕方なく早期に復帰しなければいけない方もいらっしゃいますが
子どもを持ち、家庭のある潜在看護師にも不安なく現場に復帰してもらえるような取り組みが
離職している看護師の復職を増やすためには必要です。
まとめ:離職中ナースに復職してほしければ国はできる限りの金を積め!看護師を増やしてコロナ感染拡大に伴う医療崩壊を防ぐ
離職した看護師の復職は、ほとんどの場合がお金で解決できます。
お金があれば私立保育園にも預けられますし、人間関係でちょっと嫌いな上司からの小言も右から左に流せます。←ここ大事w
コロナウイルス感染拡大に伴って起きるとされている医療崩壊は、東京をはじめとしてすでに起き始めているのが現状です。
日本看護協会は、離職している看護師へ復職の要請をしましたが
その数を増やすためにはまず、看護師の給料を上げること。
離職中の看護師に現場復帰してもらうためには、今言われる6K,9Kを減らすよりも
逆に❝K(金)❞を積むことが1番話が早いと、離職中の看護師としては感じています。
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コロナウイルス感染拡大防止『いま私たちにできること』~前半~
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